きゅうりの病害防除のポイント

きゅうりの「べと病」防除のポイント

  • 発病してからの病徴進展が早く、病斑が広がり始めてからでは薬剤の効果が得られにくいので、予防的な散布を心がける。
  • 一般的な症状(葉表に多角形の黄色病斑)が見られる時期は、発病から一週間くらい経っており、防除が間に合わない可能性も。
  • べと病 写真のようになってからでは防除が間に合わないかも! べと病 写真のようになってからでは防除が間に合わないかも!
  • 初発(葉裏の葉脈間に水が溜まったような症状/水浸状)を見逃さないことが重要。朝方の湿度が高いときが見やすい(6時~8時頃)!
  • 多湿状態にならないよう、施設栽培では適切な湿度管理を行う。露地等では畝にマルチをするなどして雨滴による跳ね上がりを防ぐ。
  • 資材・ハウスに付着している病原菌が発生源となり、早いと定植1週間後くらいから発病。自分が不快に感じる湿度になっているときは要注意。

きゅうりの「うどんこ病」防除のポイント

  • 他病害より防除優先度低いため、後回しにしてまん延化する傾向にある。
    →悪化すると果実(果柄)にも影響する。
  • 生育初期から他病害と併せてダコニール1000などで同時防除することが有効。
  • 耐性菌が問題となっている系統の薬剤もあり、専門剤を後半に温存することが他病害も含めた防除対策につながる。
  • 乾燥条件下で発生しやすいため、乾燥しすぎないように管理する。

きゅうりの「褐斑病」防除のポイント

  • 褐斑病・べと病・炭疽病は初期病斑の見分けがつきにくく、同時防除できる薬剤での防除が効果的。
  • 潜伏期間が長く耐性菌も問題となっているため、特に作期が長い作型では発生後の防除が難しい。予防が重要。
  • 特に中後期に成り疲れしたら発病しやすいため肥培管理も重要。
潜伏期間が長く防除が難しい褐斑病は予防が重要!! 潜伏期間が長く防除が難しい褐斑病は予防が重要!!

きゅうりの「灰色かび病」防除のポイント

  • 開花終了後の花弁、ひげが伸びたあとなどの柔組織から感染する。
  • また、落ちた花弁から接触感染するため、定期的な花柄摘みが耕種的防除として有効。
  • 耐性菌が問題になる病気。
  • 果実の全面(片側からだと半面になりやすい)、花の全面にかかるよう丁寧に散布するとよい。

きゅうりの「つる枯病」防除のポイント

  • 株疲れしてきた栽培中期以降に発病しやすいため、肥培管理に注意する。
  • 湿潤なか所から発病しやすく、しおれが始まると防除難しい。地際から発病すると株全体が枯死する。
  • 葉柄基部をよく観察し、地際に症状見られたら専門剤を葉と葉柄部にかかるように散布。
  • 栽培後半に発病した際に専門剤を温存しておくため、栽培初期は他病害と同時防除できる薬剤での防除が重要。

きゅうりの「菌核病」防除のポイント

  • ある程度の湿度があれば感染しやすい。登録のある専門剤を使って茎部にも十分かかるように薬剤防除する。
  • 植物体だけでなく、通路、畝上、ハウス周縁部からの感染にも注意する。

きゅうりの防除 ポイントのおさらい

  • 中後期の成り疲れによって、植物体が弱くなり病気になりやすくなる。適切な肥培管理が必要。
  • 繁茂してくると湿気が溜まってくる。下葉などを定期的に葉かきして風通しを良くするとよい。また、散布のしやすさにもつながる。
  • 湿度に起因する病気が多く、雨が続くと想定していない病気が出る。葉の縁が濡れてきたら要注意。ハウスでは湿度で自分が不快に感じる頃。
  • 作期が長く、防除回数が多いため、耐性菌の発生が問題となる病害も多い。予防剤・治療剤の特性を理解して防除することが重要。
  • 特に本葉展開が早い作物のため、病気の発生が多い圃場では従来より散布タイミングを縮めることも効果的。
  • 病気によっては残渣をそのままにしておくと病原菌の密度が上がって感染源となる。残渣はできるだけ圃場外への廃棄や穴に埋めるなどの処理をする。定植前の土壌消毒も予防につながる。
ダコニール1000は、各種薬剤耐性菌にも効果があり、天敵に対しては影響が少ないよ。 ダコニール1000は、各種薬剤耐性菌にも効果があり、天敵に対しては影響が少ないよ。

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